苔と影と空と
デザイナーのm.kです。
旅行が好きです。
写真を撮ることも好きで、必然的に旅行先で撮りたいものがたくさん出てきます。
ただ圧倒的に写っている枚数が多いものは、
壁や地面に生えた苔、草木や建物や人の影、そして空になっています。
結果どこへ行ったかまったく伝わらない写真が大半を占めてしまっているのです。
しかしながら自分の中でそれは、歴史的な建物や名所と呼ばれる景色と同列で、
そこに行かなければ見ることのできない、偶然の瞬間が生んだもの、という位置付け。
壁に生えた苔は土地や生息状況によって様々な表情を見せる
唯一無二のアートだと思いますし、
草木や人、建物の影はともすれば現物よりもさらに魅力的に見えることもあります。
↑ 写真はイギリス・Chesterの城壁の苔。
コンセプトを「壁を持ち歩く」として壁の錆やひび割れ、
苔などを表現した鞄や財布を作り続けている人や、
様々な外壁を集めた写真集を出版している人もいます。
身近にある独自の視点で美しいと思えるものを作品に昇華させる術を持ち、
貫く姿勢に羨望の眼差しを向けずにはいられません。
例えば美術館での展示物なども(ライティングの計算なのかもしれませんが)、
美術品から生まれる影が独創的な美しさを醸し出しています。
他にも打ち上げ花火なども、もちろん花火自体もよいですが、煙の残像はまた情緒があり、なんとも言えぬ趣きがあるのです。
そういった所に注目していくと現物と影、双方の魅力を味わえて、さらに楽しめます。
デザインに関しても、そういったものから発想を得られれば幅を広げられそうです。
↑ めったにお目にかかれない皆既日食。
空もそんな魅力に溢れています。
海外、日本でも時間帯や季節によって違う魅力があるので目が離せません。
……という感じで、空と地上と地面と注目すべきところが満載で忙しいうえに
B級スポットも旅の行程に盛り込まずにはいられないので、
毎回詰め込み型のハードな旅になってしまうのでした。
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