シール礼賛
こんにちは、デザイナーのすうぇけです。
今日どんなシールを貼りましたか……?
先日女子高生がシールでマスクをデコっているというニュースを見て、ふと自らのシール史を振り返っていました。わたしもシール好きで小学生の頃から現在まで、常に大量のシールが家にある状態ですが、よくわからないけど自分は惹かれる……そんな個人的おすすめシールを今日はご紹介したいと思います。
言葉の軽さがパワーになる「ずっ友系シール」
90年代、大流行したプリクラ。今思えば、現代のインスタのように自分の人生の「映え」を簡単に表現できるものであり、プリクラはより「ここにある友情を残す」ことに魅力の軸があったと思います。
2000年初頭にはプリクラをノートに貼り文字や絵を書いたりコラージュしながらデコっていく「プリ帳」がブームになり、プリクラにも色々な言葉が書き込まれ、「02娘01(ニコイチ)」「一生仲仔(なかこ)」など、あらゆる友情ワードが誕生していったようです。上の写真のシールはそんな友情ワードたちがシールになったもので、当時わたしはすでに世代ではなかったのですが、惹かれて買っていました。
それは本来の用途のためではなく、あらゆる友情ワードを堂々と言い切ってしまえる、シールの向こうの沢山の女の子たちの軽快さやパワーが面白くて保存しておきたくなったのでした。自分にとっては、どれも軽くなりすぎてなかなか簡単に使えない言葉。わたしがこのシールを貼るときは、軽さを面白がりながら使っています。
でも、この言葉たちをまっすぐ使えていた女の子たちにとっては、その軽さが合っていて、彼女たちは、この友情激推しの竜巻のようなパワーでどこまでも突き進んでいたんだなと思い、その裏にあった苦労なども想像したりして、自分にとって強い文化を感じるシールになっています。
ただ在るがままに在る系シール
懐かしき風雲たけし城のシュールなシール、HottoMottoのお弁当の具のシール、小学生のときにクリスマスツリーの組み立ておもちゃについていた金色の星のシール、りぼんの付録のシール、なぜか好きな無機質ラベルシール、買ったけど自分はこれ何に貼るんやろ?と思うシールなど……。
こんなときに使おう!と想像して買うシールとは違って、どれも自分の中で目的を失っているシールなのですが、そこが面白く、ただ存在してくれるだけでいいシールになっています。
わたしのシールコレクションのなかでも「伍魚福」という酒のつまみのシールをひときわ気に入っていて、「きわみちゃん」「きわみくん」はハートに目だけなのにキャラ化していて最高のデザイン。
そういえば他にグッズとかないのかなとこのたびネットで検索してみたところ……有名グラフィックデザイナー北川一成の会社「GRAPH」の制作だそう…!かつてはきわみちゃんTシャツもあったようです。欲しかった(笑)!
「きわみちゃん」は変なキャラながら何か安定しているなという感覚があって、おそらくデザイン意識がある程度高いレベルで作られているものは、たとえ気味が悪いものでも、どこか根っこに気持ち良さがあり、潜んでいても裾野を広げられるのだと感じました。
最後に、以上を踏まえて、自分が今欲しいシールを20分で作ってみました。ちょうど今は深夜の丑三つ時……。眠いけれど、なにか「伍魚福」のようなキャラや意味を失った文字をシールにしてみたい……そしてできあがったものがこちらです。
↑「想像力 豊」はかねてより万が一演歌歌手デビューした際に芸名に、と決めているもの。
子どもの世話で疲れた深夜2時の今の心境……
どこか自分の身に狂いを感じたところでまた今度。。。
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