わたし的「バイブル」を紹介する Vol.01
こんにちは。デザイナーのマミヤです。
今回紹介するバイブルは
原田マハ『独立記念日』(PHP文芸文庫)
傷を抱えながら、前に進む女性達に心うたれる
川向かいの家に引っ越す、仕事を変えてみる、ダメな恋をやめる。女性たちの日常の中で「小さな独立」を繰り返し、傷つきながらも自由になり、前に進んでいく姿に共感を得られ、勇気づけられる。
この本はそんな物語です。
本の煽りにはこのように書いてあります。
“ 恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失……。さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは 「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る――。寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集 ”
しょっちゅう転職やらバイトやら派遣やらをフラフラと渡り歩き、酒を飲み飲まれ、ダメな恋を繰り返してきた私には、もはやバイブルのような存在。
そんな荒くれ者も結婚まで済ませ、以前を知る友人や同僚からはすっかり丸くなったと言われる始末に成り果てました。そして現在、メタ・マニエラで落ち着いた経緯です。
装丁からも感じられる、物語の統一
ここでデザイナーらしく、この本のオススメポイントをひとつ。
この本には3種類の装丁があります。どれも素敵な装丁ですが、フィンセント・ファン・ゴッホの『花咲くアーモンドの木の枝』があしらわれた文庫版の装丁を強く推したい。
↑装丁にあしらわれている、フィンセント・ファン・ゴッホの『花咲くアーモンドの木の枝』の実際の花の姿。
ファン・ゴッホは自死の半年前、弟・テオの夫婦に子どもが生まれたとの報告を受けた。誕生を喜んで、描いたとされるアーモンドの花の絵は、芽吹く生命力に満ち満ちているように見える。その姿は力強く、現代を生きぬく女性たちの姿とも重なる。
そう思って読むと、不思議と自分自身とてもいい読書をした気分になる。
そして、旅立つ誰かにそっとプレゼントしたくなる。女性にはもちろん、男性にもオススメです。
次回は弊社デザイナーのヒラヤマの講釈で会いましょう。それでは。
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