夏の終わりに観にいこう!- 多摩美術大学美術館コレクション展「そうぞうのマテリアル」のカタログ・会場造作物のデザインを担当いたしました。

こんにちは、デザイナーの平山です。

現在、多摩美術大学の附属施設である多摩美術大学美術館にて、展覧会「多摩美術大学美術館コレクション展 みつめる×かんがえる そうぞうのマテリアル」が開催中です。(9月4日(日)まで/現在は後編を開催中)テレビ放送「わたしの芸術劇場」でも紹介され、話題となっています。

この度、ありがたくも機会を賜り、本展のカタログ・会場造作物のデザインを弊社が担当させていただきました。

そこで、弊社平山が当展覧会(前編)を訪れ、弊社の先輩方がどんなデザインを制作したか、探りに行ってみました!


多摩センター駅へ降り立ち、会場へと向かいます。すると会場入り口付近にインパクトのあるガラス扉が見えてきました。

4分割されたカラフルな扉。かなりのインパクトです!

中心の円の中には記号のような文字が!「そ、う、ぞ、う、の、マテリアル…!」展覧会のタイトルです。元素記号をつないだような、化学式のような、星座のような…。

4つビジュアルと相まって、「【そうぞう】とは?マークは何の暗喩なのか?どんな展示なのだろう?」とワクワク感が高まります。

会場外にはポスターも掲示されていました。

表面は先ほどのガラス扉のビジュアルが、裏面には更に展示内容の紹介が!

「水」「木」「金」「土」の文字と、◯△□◇の形もかなり目に入ってきます。ビジュアルのトリミングや配置も、数はそんなに多くないながらも賑やかかつバシッと、かなり効いている印象。

これは、作品の素材(マテリアル)ごとに展示しているということから更に深まった内容が待っていそう…!展示を見てみたい気持ちが暴走寸前です。


満を持して会場内へ。入り口では先ほど見たマークが出迎えてくれました。

中心には「多摩美術大学美術館コレクション展」と、目と脳味噌?のマークが。その下には「みつめる×かんがえる」の文字。ヒエログリフのような、アイコンのような、とても気になる表現です。間が「×」になっているのも気になるところ…展示を見ることで意味が解けてくるでしょうか。


会場内には4つのビジュアルが別個として、フラグで並んでいました。

おっと、各々に地紋のようなものがあるぞ…!?「水」には波紋、「木」には枝のような、「金」には光線、「土」には元素記号の地層のような、マークたちが潜んでいました!ビジュアルを活かす、細部の仕掛けが興味深いです。


いよいよ4つの各展示室へ。(画像は「水」の展示室:前編)

「水」では、揺らぎ、不確定さ、永遠、認識の入れ替わり

「木」では、生命、信仰、共生、人間と自然の間の歴史

「金」では、聖俗、輝きと陰り、永遠と儚さ

「土」では、歴史、郷愁、創造や生命の原点

などを考えるきっかけをもらえたように感じました。

(あくまで一訪問者の雑感となります)

個人的には「水」の展示の、認識をひっくり返されるような感覚が強く印象に残りました。また、縄文時代に興味を持っていることもあり「土」の展示も大変興奮いたしました。

素材という切り口から、人間の創造してきた想いや、それにいたる思索や認識の歴史や分かれ目、そういったことにまで思いを巡らすことができる、感性のみならず頭もフル回転させられる充実した展示でした。

「みつめる×かんがえる」とはこのことだったのでしょうか…!


弊社がデザインしたカタログにおいては、水/木/金/土の4章の構成で図版を掲載しています。

多摩美術大学美術館のコレクションから、4つのマテリアル「水(みず)・木(き)・金(きんぞく)・土(つち)」にまつわる作品を展示した、新たな切り口の展覧会。

地上にある素材を用いあらゆるわざを駆使し「想像」し「創造」に向かってきた表現を、素材ごとに見つめることで、新たな感性や認識に気付き開かれる機会が得られるような場となっています。

機会がございましたら是非足を運んでみてください。



多摩美術大学美術館


書誌情報

『多摩美術大学美術館コレクション展 みつめる×かんがえる【そうぞうのマテリアル】』

• 発行:多摩美術大学美術館

• 刊行:2022/4/28

• ページ数:48ページ

• サイズ:縦高 290mm 横幅 220mm

• 料金:一般 500円(学生300円)

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