水族館劇場
デザイナーのm.k.です
「なんだかよくわからないけど…とにかくすごいものをみた…!」
観終わってしばらく放心した後に出た第一声の感想がこれでした。
「水族館劇場」とは60~70年代あたりのアングラ臭漂う、
野外テントで上演をしているサーカス+見世物小屋+大衆演劇を世界観とする劇団です。
基本的には毎回、どこかの街のお寺や神社の境内に仮設のテントを建てて上演しています。
座長である看板女優は年齢不詳ながら常に10~20代のヒロインを演じ、
カリスマ性も相まって可憐な乙女に見えてくるし、
若い演者達もまるでタイムスリップしてきたかのような、
とても現代に存在しているとは思えぬ存在感を放っていて
一気にその世界観に引き込むのです。
いったいプライベートはどんなふうに現世に馴染んでいるんだろう?と興味が湧き、
出待ちをしてみたこともありました。
おそらくここでしか輝けない人達、
いや、他の役者では務まらない唯一無二な存在感がこの劇団の世界観を支えています。
シーンごとに目まぐるしく変わる手作り感あふれる大掛かりな舞台美術、セットが倒れる、
幕の布が引っかかり破れる、演者のセリフが飛ぶ、
観客一同が固唾を飲んで見守るハラハラ感満載のそんなところも見どころの一つです。舞台中央には常に水を張った鯉が泳ぐ水槽が置かれ、人がその中に落ち、泳ぐ、
吊るされた人や綱渡りや噴水や火吹き、花火、
なんといっても毎回お約束のクライマックスには2~3トンもの大量の水が天井から降り注ぐ
圧巻の光景…!(最前列客はビニールシートをかぶります)
上演時間2時間はあっという間で、正直、毎回ストーリーは全く理解不能ながらラスト、
そんな滝のように水が降り注ぐ舞台での演者総出の熱唱シーンは、
謎の感動と衝撃に頭が麻痺してくるような中毒性があるのでした。
初見の衝撃がクセになり、かれこれ3回ほど観劇しているのですが、
今回の舞台裏はお寺の墓場というロケーションでなかなかの雰囲気でした。
水族館劇場のロゴやフライヤーも毎回とても素晴らしいデザインで、そちらも見どころです。
機会がありましたら皆さんにも一度体験していただきたいです。
これはもう動画や文章では伝えられる限界を超越していてなかなか伝わらないので、
もういっそ観劇することをお勧めします。
衝撃のクライマックスの謎の感動をぜひ体感してみてください。
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