インドア女子おすすめの登山作品 vol.3
アシスタントディレクターの佐藤です。
気がつけばもう年末!皆様いかがお過ごしでしょうか。
やり残したことなどはないですか?気持ちよく2022年を迎えるために、気になっていることは解決しましょう。キッチンの掃除とか友達に返し忘れていた本とか。
さて今回のおすすめ作品も史実に基づいた登山映画です。
映画『アイガー北壁』
2008年に公開されたドイツ映画で、1930年におきたアイガー北壁の初登攀競争をめぐる実話をもとにしています。
そもそもアイガーとはスイス・ベルン州の一峰で標高は3,970mほど。北壁は特に登攀困難な危険なルートとなっており、別名「死の壁」とも言われています。
あらすじを拝借すると、
ベルリン五輪開幕直前の1936年夏、ナチス政権は国威発揚のためドイツ人による前人未到の難所アイガー北壁初登頂を強く望んでいた。ドイツの若き登山家トニーとアンディ、そしてオーストリアの2名が大いなる期待を背負って北壁に挑む。彼らは順調に登っていくが、落石によるメンバーの負傷や悪天候に見舞われ……。
登山家たちのプライドと政治的思惑と
私が登山作品を見始めるきっかけとなった映画です。
スイスの雄大な美しい景色と登山家目線の険しいアイガー北壁のコントラストがガツンと印象に残り、最初にして忘れられない作品となりました。
アイガーの麓は観光地としても有名な場所で、登山家でなくても多くの人々が避暑やハイキングに訪れます。作品中では、メディアやドイツの政治家などが麓に宿泊し、登攀の様子を見守る描写があり、山の上で過酷な状況にさらされているトニーたちをまるで家でテレビでも見るかのように眺めている様子もまた対照的でありました。
実際のアイガーの麓の写真。不思議とちょっと日本に見えますね
ラストを知らない人はぜひ知らないまま見てほしいです。
シーンとしては辛いのですが、ラスト直前からそこまでの画づくりがとても美しく絵画的で
辛く厳しい道程とわかっていながらも山の魅力にとりつかれてやめられない登山家たちの気持ちが分かるような気がします。
ヨーロッパで最も高い場所を走るユングフラウ鉄道が有名です
アイガーといえば、「スイスマシーン」と呼ばれた人物をご存知でしょうか。
ウーリー・ステックというスイスの登山家で、なんとこの方はほとんどの登山家がチームを組んで2日かけて登るアイガー北壁を単独、命綱無しで、わずか3時間弱で登ってしまったのです。
そのときの動画はyoutubeで見ることができますが、驚きの速さ。軽々と垂直な壁面を登っていく様子はまるでスパイダーマンのよう。「死の壁」という別名を忘れるほどの身のこなしでした。『アイガー北壁』を見た後に見ると、印象の違いに感覚がバグを起こします(笑)。
この動画を知った当時、もっと彼の活躍を見たい!と思っていたのですが、残念ながら2017年に山で滑落して亡くなってしまったそうです。悲しい。やっぱり山は怖いところだ。
少し話が逸れてしまいましたが、世界町歩き的なスイスの景色と登山の過酷さを目の当たりにできるグッドな作品です。お正月特番に飽きたころ、思い出したらぜひ見てみてくださいね。
次はもう少し明るい作品を紹介できたらなと思います。それでは。
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