「寺田小太郎 いのちの記録 ーコレクションよ、永遠に」
書影撮影:多摩美術大学写真センター 若林亮二
こんにちは、デザイナーの平山です。
現在、多摩美術大学の附属施設である多摩美術大学美術館にて、展覧会「寺田小太郎 いのちの記録 ーコレクションよ、永遠に」が開催中です。
この度ありがたくも機会を賜り、本展のカタログ・会場造作物のデザインを弊社が担当させていただきました。
書影撮影:多摩美術大学写真センター 若林亮二
東京オペラシティビル地権者の一人である故・寺田小太郎氏(1927-2018)から多摩美術大学に59点の作品が贈られたことを記念した展覧会。
「寺田コレクション」は、戦後日本美術から現代アートに至るまで幅広い年代・ジャンルにわたり、その数は4,500点に上ります。
本展覧会ではその中から約190点の作品・資料より、寺田氏の「いのちの記録としてのコレクション」への想い・メッセージを紐解いていきます。
本年、7月10日(土)~9月20日(月・祝)までは前編「起源」を、10月2日(土)~11月21(日)までは後編「継承」を開催。
(現在は後編を開催中です。)
カタログ(上記写真)においては、本展作品を含む図版を約190点掲載。また、寺田小太郎氏による随筆『わが山河』(私家版、2008年)を再録掲載し、生前の寺田氏と親交を結んだ方々へのインタビューや、多摩美術大学美術館館長・鶴岡真弓氏のテキストも含む充実した内容となっています。
表紙は、空押しを活かしたミニマルで透明感のあるデザインで制作いたしました。
中面もミニマルに、しかし章扉にはトレーシングペーパーと寺田氏から連想されるカラー紙を使用し、全体的に紙質はあたたかみのあるものにするなど、寺田氏の「いのち」を見つめる透明なあたたかく深い眼差しを表現できるよう努めさせていただきました。
会場内:エントランス付近 写真提供:多摩美術大学美術館 撮影:中川周
また、会場の造作物のデザイン展開も一部担当させていただきました。(画像は前編「起源」内覧会にて撮影)
カタログのデザインの方向性をそのままに、デザインデータを制作させていただく機会を賜り、また、会場に伺った際は、数々の作品と、解説文のバナーやパネルが合わさり、展覧会全体の空気・世界観を発している場を体験させていただきました。
写真提供:多摩美術大学美術館 撮影:中川周
会場内:前編の解説文 写真提供:多摩美術大学美術館 撮影:中川周
会場内:解説文
作品展示風景(前編) 写真提供:多摩美術大学美術館 撮影:中川周
この度は、寺田氏の人間性・その人生とコレクションの相関性、そういったものを学ばせていただきながら、本展覧会へ求められるカタログのデザインを検討・制作させていただく機会を賜り、大変貴重な経験となりました。
静謐な空気に触れ、ときにはその迫力に圧倒され、これまでのそしてこれからの「いのちの記録」に寄り添っていく。そんな素晴らしい作品群を鑑賞できる本展覧会。
機会がございましたら是非足を運んでみてください。
書誌情報
『寺田小太郎 いのちの記録 -コレクションよ、永遠に』
- 発行:多摩美術大学美術館
- 刊行:2021/07/10
- ページ数:272ページ
- サイズ:縦高 240mm 横幅 187mm 奥行 18mm
- 料金:一般 2,500円 (学生2,000円)
本展作品含む図版約190点掲載。寺田小太郎による随筆『わが山河』(私家版)を再録掲載するほか、生前の寺田と親交を結んだ2人の画家 相笠昌義・奥山民枝 、造園家・中島健主宰の綜合庭園研究室OBへのインタビュー、多摩美術大学美術館館長・鶴岡真弓の書き下ろしテキストなどを収録。
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