疫病退散! 平将門公の首塚参り

こんにちは、デザイナーのばたやんです。

みなさまは「日本三大怨霊」というのをご存知でしょうか。

菅原道真、平将門、崇徳天皇(年代順)、いずれも平安時代の政争・戦乱に敗れ、死後は祟り神となって災いをもたらしたと伝わる、歴史上の人物です。

(平安時代、どんだけドロドロだったの……)


その中のひとり、平将門の首を葬ったと伝わる「将門塚」が、東京のオフィス街の一角にあります。



平将門伝説を「超ざっくり」解説!

・桓武天皇のひ孫。(超良血!)
祖父の高望王が東国支配を任じられる。(桓武平氏の始祖)
以降子孫たちは、現在の千葉県~茨城県あたりで勢力拡大。(ぶいぶい)

関東平野は良馬の産地であったため、直轄地扱いだったんですね。


将門15、6歳で京の都へ出る。(いっちょ花咲かす!)
時の権力者に仕えるものの、身分差別により武士は出世頭打ちで挫折。(俺だって皇族の血筋なのに!)
夢破れて帰郷するも、父の死後、所領は叔父らのほしいままに。(激おこ!)

軍略に長けた将門、瞬く間に所領を取り戻し勢力拡大。(やったね!)

都とのコネクションを生かし、騒擾のお咎めももみ消す。同時に周囲との確執も、海より深まる。(口出し手出しは無用!)

将門38歳(諸説あり)、新王を名乗り、領地支配に乗り出す。(もうここ俺の国ってことでよくね?)

天皇二人いたらダメじゃん!と都より討伐軍が送り込まれ、あえなく2ヶ月で討死。(無念。いわゆる「平将門の乱(天慶の乱)」)

首級は京で梟首になるものの、悔しすぎ!俺の体に戻ってもう一戦かましたる!と叫んで光って飛んで帰る。(Oh, 500km超……いろいろとすごい)

さすがに手前で力尽き、落ちたところに葬られた、と伝わるのが将門塚。(いまや大都会、千代田区大手町1丁目1番地)


将門公の没年が西暦940年。まだ3桁だった頃の出来事です。

実際に将門公の首塚である真偽はともかく、石室などが遺されていることから、なにがしかの古墳ではあっただろうと推測されています。



今やる!? 大丈夫なの? 将門塚の改修工事

以降1000年以上もの間、おろそかに扱われたり、移動や撤去を試みる度、厄災や関係者の変死をもたらした、と語り継がれる将門塚ですが。

なんと!コロナ禍の真っ只中、2020年秋から2021年4月まで、大規模改修工事が行われていたのです。

子どもの頃、雑誌『ムー』などの超科学系(トンデモ本)を愛読していた身には、ドッキドキの事態です。

工事中に訪れた方のSNSでは、一時は完全に撤去され更地になっていた、との報告もあって、さらに心拍数は上昇。

2021年6月下旬。緊急事態宣言が開けてのち、改修後の将門塚に参拝してみました。



新しくなった将門塚はこんな感じ

地下鉄大手町駅C5出口から地上に出ると、皇居のお堀が見えます。

振り向くとすぐ、将門塚の灯篭が見えます。

自分がまさに将門塚の下を歩いてきたことに気づき、やや緊張しつつ、灯篭に向かって歩みを進めます。

騎馬戦を得意とした東国武士らしく。灯篭には馬が刻まれています。

おお……超スッキリ。いわくありげな築地塀や木立もなくなって。安心安全というか、拍子抜けな印象です。これだけ白日に晒されては、ちょっと祟る気も起きないのでは?と、むしろ将門公の御霊を案じてしまいます。

ちなみに今回が戦後第6次改修となるそうです。知らなかっただけで、意外とちょいちょいやってたんだなぁ……と、こちらも拍子抜け。

どうかどうか、はやくコロナ禍が収まり、日常が戻りますように。

いまは鎮守の神として祀られている将門公に、疫病退散を祈願します。


改修前はこんな感じでした。江戸時代には大名屋敷の一隅に組み入れられていたようです。

また以前、カエルの置物があったのは、将門公の首が京都から飛んで帰ったことにちなんで、左遷や遠方赴任などから「早く帰れますように」と願をかけるサラリーマンが後を絶たないとか……さすがはジ・オフィス街、大手町らしいエピソードですね。


なお今後は、供物・供花などを置いていくことは一切禁止となるそうです。残念ながら、カエルもダメです。お供えをされたい方は、将門塚の祀りごとを担う、神田明神社務所へお持ちください、とのこと。


個人的には、以前の「意味深」な雰囲気が払拭されてしまったことを残念に思いますが。千年の時を超えて、地元民の手によって大切に守り継がれてきた遺跡であり、首都・東京の守護神として、これからもここにあり続けることを願います。


〈おまけ〉

都電荒川線車両座席と同じ生地でクッションがつくれます!……うーむ。乗り鉄としては、欲しいような欲しくないような…… まあまあのお値段です。お子さんは喜ぶのかも? 都営地下鉄大手町駅にて。

冷やし中華ならぬ「ワクチソ」はじめました、の夏。未来でこのコロナ禍は、果たしてどんなふうに語り継がれているのでしょうか。地下鉄大手町駅構内にて。

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