ヤゴと過ごした180日#一寸の虫は電気羊の夢を見るか
アルコール消毒のし過ぎでスマホの指紋認証が反応しないデザイナーのimaiです。
プロフィールの通りたくさんの生き物に囲まれて暮らしている私。
今回はヤゴに焦点を当ててお話しようと思います。
ヤゴってご存知ですか?
皆さん、ヤゴってご存知ですか?そうです!トンボの幼虫です。
我が家は金魚の餌用に水たまりからアオミドロを採取してくるのですが
偶然その中に数匹紛れ込んでいたのが、ヤゴとの出会いの始まりでした。
↑水たまりにモサッと発生している緑の藻が「アオミドロ」。金魚をはじめ水棲生物がよく食べる水草です
ある日のことです。生き物の世話をしていた妻が「水槽を覗き込むと1匹のヤゴが上がってくる」と言い出しました。
「そんな馬鹿な…」と覗いてみると、確かに上がってくるんです。試しにエサを与えてみたら「パクッ!」と食いついたのでちょっと驚きました。
次の日も、また次の日も水槽を覗くと水底から上がってきては
私たちの手から餌を食べるそのヤゴ を「ヤゴッチ」と名付け、羽化して旅立つその日まで面倒を見ることにしました。
餌付けのお陰かヤゴッチはスクスクと成長し何度目かの脱皮の後、秋には小指ほどの大きさに成長しました。
図鑑によればどうやら「クロスジギンヤンマ」の幼虫でなんとそのまま越冬して羽化は春になるとのこと。
↑写真はクロスジギンヤンマではなくオニヤンマです
そして月日は流れ……
春と呼ぶにはまだ寒い3月のある日、泥に潜って越冬していたヤゴッチは
ヒョッコリと私たちの前に姿を表し、4月も半ばをすぎた頃、元気に旅立って行きました。(羽化の瞬間には立ちあえませんでした。残念!)
近年、昆虫は本能だけではなく学習能力がある事
幼虫時代の記憶が成虫になっても一部残っているらしい事……などが
研究によって明らかになりつつあるそうです。
トンボになったヤゴッチが幼虫時代の記憶をボンヤリとでも覚えていて
ある日私の指にスッと止まってくれたら…
なんて彼(彼女?)が飛び立った空の彼方を見上げて妄想しつつ
私はいつも通り、メダカや金魚のためにアオミドロの採取に出かけます。
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