デザイナーの履歴書 私がどのようにしてデザイナーになったか。Vol.03
メタ・マニエラに所属する約20数名のデザイナーがどのようにしてデザイナーになったか、デザイナーとしてどのようなことを意識しているかなど、デザイナーのあれこれをリレー形式で紹介していくこの連載。
今回は、Webデザイナー/ディレクターのヤスハラタカユキが、なぜデザイナーという職業を選んだのか、お話しします。
今の仕事につながる原点
子どもの頃、学級新聞って作りましたよね。
小学生の私は、ただのおサボり勉強嫌いキッズでしたが、あるとき学級新聞係になったのです。
先生をネタにした4コママンガやら、謎のエッセイやらを書いて貼り出したところなんだか好評を得て、調子こいた私は「これは才能があるかもしれないぞ」と勘違いのような自覚をしたのでした。
これがデザイナーになる原点だったかもしれません。
デザイナーという職業を選んだ理由
そんなこんなで、数学や物理は超苦手だけど国語の成績だけはいいという、典型的な文系学生としてイケてる男子の影に潜み、日々バスキアが~モンドリアンが~と、俺はお前らウェーイ!とは違うんだ的な空気を醸しつつも、まあただ単にモテないねずみ色の青春を過ごしていたわけですが、そんなカン違い腐れ外道にも進学の季節が巡ってくるのです。
ひじょ~にお金が控えめな家庭の子どもだった私は、大学でキャンパスライフで女の子と!と言い出すこともできず、ペラペラとめくった進学の資料の中に、授業料タダでデザインを教えてくれるという公立の学校を見つけ、そこに行けなかったら働きゃいいやという軽い気持ちで受験したところ運良く合格。
なし崩し的にデザイナーという道を歩み始めるのでした。ちなみにその学校には今とっても売れっ子なマンガ家もいて、一緒によく遊んだもんでした。
印象的なデザインの仕事
デザイナーになる前にも色々あって、印刷会社でデザインしたり編集したり外国をさまよってみたり、トラック運転手をやってみたり、免停食らってトラックに乗れなくなったり。
そんなときにアルバイトニュース(懐かしっ)をめくってみたところ、横浜ウォーカー創刊につきスタッフ募集!というのを見つけ、応募したことがメタ・マニエラへ入社することになる直接的なきっかけになりました。
横浜ウォーカー、その後ADをやらせていただいた東京ウォーカーは私にとって忘れられない仕事になったと言えます。
デザイン、デザインのディレクション、撮影ディレクションなどなど、たくさんの経験をこの雑誌を作ることで学びました。
↑謎に映り込んだりもした(笑)
いままでに行き詰まったり、なにか壁を感じたこと
長きに渡り雑誌や書籍のデザインをしてきたものの、世の中はどんどんとインターネットの時代へと突き進んでいきました。
とんでもない部数を売っていた雑誌も次々と縮小の方向へ舵を切り、一人のデザイナーの力ではどうやっても抗えない濁流へ飲み込まれていきました。
これは大きな壁でした。
そしてその流れに逆らうことをやめ、Webデザインを学び始めたのですが、これも簡単なジョブチェンジというわけにはいきませんでした。
そこらへんの話は記事に詳しく書いてますので、ご興味がありましたら。
デザイナーとして日頃気にかけていること
今はWeb媒体をメインに活動しているので、Webデザインのトレンドを知るための情報収集と、既存のデザインではなく紙媒体的なWebサイトのデザインの方法を編みだすべく、日々研究しています。
インプットもなるべく色々なものから吸収できるように心がけています。
↑若干の偏りを感じなくもないセレクト
リモートワークなデザイナーになってから意識していることは?
かれこれ1年近くリモートワークをしていますが、やはり生のコミュニケーションが取りにくいなという実感があります。
Web会議では積極的に声を出すようにしていますし、コミュニケーションツールにはなるべく多くレスポンスを入れるようにしています。
デザイナーという職業柄以前はかなり夜型生活でしたが、今は完全に朝方に切り替えました。
努めて世間様と同じ時間に動いて、同じ感覚を共有できるようにすることを意識しています。
最後に。
正直な話をすると、デザイナーになりたい!という強い気持ちがあったわけではなく、その時の流れに身を任せて、気がついたらデザインという仕事が生業になっていたという感じです。
でも今となってはこの仕事しか考えられないな?とも思うので、天職だったのかもしれません。
精神的、肉体的に辛いこともたくさんある仕事ですが、初めてデザインした雑誌が発売されたその日、徹夜明けで帰宅中にその雑誌をキオスクで買っているOLさんを見て感動したことは一生忘れません。
学級新聞を読んで笑っていた同級生を見て感じ、今の仕事へ繋がっていることは、自分の作ったもので喜んで欲しいなという思いです。
この気持ちが続く限り、まだこの仕事を続けていけそうな気がしています。
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