デザイナーが解説! エディトリアルデザインって何?
Webデザイナー/ディレクターのヤスハラタカユキです。
私は今でこそWebの仕事をメインにやっていますが、元々は雑誌や書籍のデザインを生業として長らく活動してきました。
そこで、弊社の得意分野であるエディトリアルデザインとは何か、必要なスキルは何なのかについてご紹介します。
目次
- エディトリアルデザインとは
- エディトリアルデザインとグラフィックデザイン、何が違うの?
- エディトリアルデザイナーにはどんな人が向いている?どうやったらなれる?
- エディトリアルデザイナーに必要なスキルは?
エディトリアルデザインとは
エディトリアルデザインって、一般にはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
ですが、皆さん読んでいる本、雑誌、取扱説明書などには必ずエディトリアルデザインが関わっています。
ざっくりと言ってしまえば、
編集者、読者の意図を考え、最も効果的に情報を伝えるために紙面を編集、レイアウトし、デザインすること。
これがエディトリアルデザインです。
編集者のことを英語でEditor(エディター)といいますが、エディトリアルデザインのエディトリアルも同じ、編集という意味です。
雑誌やパンフレットなど本のようなページ物の紙媒体を適切に編集、レイアウトして、より美しく正確に意図が伝わるようにするデザイナーを、エディトリアルデザイナーといいます。
「デザイナーの何とかさんのデザインっていいよね~」という感じに、表向きに名前が出ることはあまりありませんが、あなたの近くには必ずこの仕事が介在しています。
ちなみにDTPデザイナーという言葉もかつて使われていましたが、最近はあまり聞かないようです。
若干ニュアンスが違い、エディトリアルデザイナーのほうがより編集に近く、DTPデザイナーのほうが文字組みなどのオペレーションに近いような印象でした。
エディトリアルデザインとグラフィックデザイン、何が違うの?
え?じゃあグラフィックデザインと何が違うの?と思う人もいるかも知れません。
個人的にはその境界は曖昧だと思っています。
ですがこれまたざっくりと分けるとするならば、
グラフィックデザイナー=平面における視覚表現全般を請け負うデザイナー
エディトリアルデザイナー=ページ物におけるデザインをより編集的に考え表現するデザイナー
と言えると思います。
ポスターや広告などをやるのがグラフィック、ページ物の紙面デザインをやるのがエディトリアルというと分かりやすいかも?
しかし、エディトリアルデザイナーが平面の広告をいちから考え、ポスターなどの素材作成からロゴ制作まで請け負うことも多々あるし、
グラフィックデザイナーが装丁から紙面デザインをやる場合もあるので、その境界はやっぱり曖昧なのかもしれません。
例えば私が以前、某情報誌のデザイン(ADも)をしていたとき、表紙の撮影のシチュエーションを考えたり、ディレクションをしたりしていましたし、紙面のデザインも同時にやったりしていました。
装丁を担当しつつ本文をデザインしたり、色々なケースがあります。
分けて考えないほうがいいんじゃなかな?と考えています。
弊社では特にグラフィック、エディトリアルと棲み分けはしていません。
エディトリアルデザイナーにはどんな人が向いている?どうやったらなれる?
整理整頓、物事の順序を正確に把握できる人が向いているでしょう。
編集者の想いを受け取って、整理整頓して、自分の個性を加えて、読者に伝わるデザインを生み出すことがエディトリアルデザインの役割です。
弊社にはいろんなバックボーンを持って入社してきたスタッフがたくさんいます。
一般には美術系の大学や専門学校に通うのが近道だと思いますが、バスガイドからデザイナーなど、別業種からの転職組も多いです。
結局のところは、センスとコミュニケーション能力が大切なのです。
エディトリアルデザイナーに必要なスキルは?
Adobeのアプリ、InDesign、Illustrator、Photoshopが扱えることがほぼ必須です。
資格などは別に必要ありませんが、最低限きちんと扱えることが求められます。
それに加え、配色、フォントの扱いの知識、センスや、編集的な知識も必要です。
また、編集者やその他の関係者と同じものを作っていくことになるので、コミュニケーション能力も重要です。
とはいえ、突き抜けたセンスを持つエディトリアルデザイナーは、足りない能力を補って余りある作品を作ることができることもあるので、そういう場合はスタッフ間でお互いにサポートしながら一つの作品を作っていくこともよくあることです。
「アイツとっつきにくいんだけど、デザインした紙面は最高にいいんだよな~」案件です(笑)。
以上、エディトリアルデザイナーって何?について書いてみました。
弊社は今でこそ総合的な制作を行っていますが、長きに渡りエディトリアルデザインを主として業務を行ってきました。
週間ザテレビジョンは創刊から現在まで弊社のデザインですし、休刊になってしまいましたが、東京ウォーカーも創刊から長きに渡りデザインしていました。
他にもスキー専門誌のBravoSkiや、映画館で配られているシネコンウォーカー、会社案内、社内報などなど、たくさん手掛けております。
このように大手出版社から企業の直接案件まで、様々な紙面のデザインをしてきたので、編集プロダクションや編集者、フォトグラファーやイラストレーターなどの各クリエイターとの密なつながりが弊社の財産となっています。
またWebのデザインにエディトリアルデザイン的視点を持ち込むべく注力しています。
内容に縛られず、お手伝いができることがあるかと思いますので、お仕事のご相談はこちら!に、ぜひよろしくお願いいたします!
2022年9月13日加筆
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