ねこバスに乗って。I’m Home, Tokyo.

みなさまこんにちは。デザイナーのばたやんです。

10/1より、東京発着ツアーでGo To トラベルキャンペーンの適用が始まったり、Go To イートなど外出を推進する施策も順次始まっていくようですね。

コロナ禍による自粛ムードもいったんは和らいで、「やっと出かけられるぞ!」とさっそく街や観光地に繰り出したという人も多いのではないでしょうか。

かくいう私めも、(やれやれ、これで少しは出かけやすくなるなぁ)とのびのびした気分にはなったものの。……はて。


出かけるって、どこに?


実家は都内にあり、家族や友人知人はおおむね都内や近郊に住んでいます。つまり、コロナの影響で会いたくても会えないという相手はさほど多くありませんでした。さらには、ひとり自宅で黙々とテレワークの日々を過ごすなか、「(事態が収まったら)~に行きたいね!」などとプランを温め合う相手もなく。展覧会やライブなどのイベントを別にすると、「やっと行ける!」「やっと会える!」と堰を切ったように向かう先が、まったくと言っていいほど思いつかなかったのです(悲報)。


ふるさとがあるって、帰るところがあるって、いいなぁ。


というのはコロナ禍以前、子供の頃から長い休みのたびに感じてきたことではありました。

これだけ長い間住んで暮らして都民やってるのに、この「地元感のなさ」は何なのだ? そろそろ中二じみた疎外感を克服する時がきたのではないか(遅い)。いい加減「東京がふるさとです」と言える自分になろう(まだちょっと恥ずかしい)。

というわけで。


東京ふるさと化計画、はじめます。


ふるさとのない自分が考えるふるさとの定義とは、

なつかしい景色がある+なつかしい人がいる=戻りたい場所である、ということ(超ざっくり)。

自分が“東京”を感じた、もっとも古い記憶をたぐっていくと。それは幼い頃両親に連れられて行った、西新宿の高層ビル展望台からの眺めでした。以来、高い建物から街並みを見下ろすと「ああ、これが東京なんだ~」としみじみ感じるような気がします。幼少時の刷り込みは強固です。

私にとってなつかしい景色、それは高層ビルから眺める東京。そうだ高いビルに上ろう。東京の高層ビルを行脚しよう。強引にはじめたので、強引なまま進めます。アレと煙は高いところに上るのです。思いついた勢いで、さっそく自転車で行けそうな高層建築を目指します。


ただいま、東京。

文京区役所庁舎から眺める東京スカイツリー。普段からあまり人が多くなく、コロナ禍の平日ということもあり、人影はまばらでした。肉眼ではスカイツリーがもっと近くに見えます。海上の空には、去りぎわの台風14号が裾を引くように、雲が広がっています。

(一風変わった形の庁舎なので、名のある建築家の手によるものかと調べてみたのですが、「日建設計」という会社名にしかたどりつかず。なのでデザインに関連する情報は今回、ありませんすみません。ロボテックな外観から、東京の危機には新宿の都庁舎にパイルダーオン!(合体)して立ち上がるのだ、という都市伝説があったとか、なかったとか。バブル絶頂期に着工、1994年竣工。)


弊社所在地は画面左方面でしょうか。なにやら「天気の子」っぽい眺めですね。足元には“地上を走る地下鉄”も見えます。


これら無数の立方体の下にそれぞれの人の暮らしがある……と思うと、なんとなく切ない気持ちになります。高所を駆ける「ねこバス」が東京を往くとしたら、車窓はこんな眺めでしょうか。


日没まであとすこし、周辺で「ふるさとっぽさ」ハンティング。


こんにゃく閻魔、の名で親しまれる源覚寺境内。眼病を患った老婆が、好物のこんにゃく断ちをして閻魔さまに治癒を祈願したところ、病気が治ったという言い伝えから、こんにゃくを奉納する慣わしが生まれたようです。ビルの谷間に木立が茂り、湧き水が流れています。

某紳士服チェーン店、店先の植え込みにひっそりと。樋口一葉終焉の地。


東京で一番多い街路樹といわれるハナミズキが色づきはじめていました。一方、都の樹・銀杏はまだ青々としています。温暖化の影響か、近年は12月上旬まで銀杏の見頃は延びているように思われます。


長年住んではいても、用がなければわざわざ上らないのが高層ビル。これからは“帰省先”と称して、「わざわざ」上りに行ってみたいと思います。


manimani Media

変わるデザイン。変わらないデザイン グラフィック/エディトリアル/企画・編集/Web/動画...各種メディアにトータルクリエイティブを展開するデザイン会社の日常。

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