マニエラT-shirts好きと僕
デザイナーのiMです。2020年、弊社もテレワークが中心となり、他のメンバーとも顔を合わせないまま夏が終わりそうな日々。せっかくT-shirtsの季節なのに!寂しい!!ということで、今回は社内のT-shirts好きを集めて、各々のお気に入りを披露してもらい、ついでに根掘り葉掘り聞いてみました。それではどうぞ!
【1人目】プロデューサー古津
古津といえばマニエラきっての生粋のHIP-HOPっ子。そんな彼が持ってきたお気に入りの1枚は……
↑「FUCT/ERIK BRUNETTIデザイン」
iM:これはかなり年季の入ったT-shirtsやね。
Fu:BRUNETTIがいた頃のFUCTのシャツで、もうボロボロですけどお気に入りです。これはブランド名通りの卑猥系デザインですね。
iM:BRUNETTIはデザイナー、タトゥーアーティストでFUCTの創業者ですね。90年初期だからほぼ30年物のヴィンテージ!
Fu:当時はサブカル感を主張するのがイケてると思っていました(笑)。
iM:関東のHIP-HOPの人たちは着てたの?福岡ではスケーターのイメージがあったブランドだけど。
Fu:う~ん、皆ではないですね。B-BOYの中でもサブカル流れの人たちは着ていましたよ。90年代頭~中頃に関東でキッズしてた奴らは、東京のスケーターカルチャーやグラフィティ、ヒップホップカルチャーがごちゃまぜになって、お互いをサンプリングし合って、裏原が形成されていく過程をヒップホップっぽく感じていたし、そこに“今の時代を生きてる感”があってすごく楽しんでいたんですよね。
iM:確かに今ほど個々にジャンル分けされていなくて、ミックス感はあったね。共通教養としての裏原がありつつで。今のデザインのミックス感覚もそのあたりから影響を受けているのかもね。そしてタグまで抜かりないデザイン……かっこいい。
Fu:パロディー系の走りでもあるのでそこも刺激的でしたね。デザイン的にラフなカッコ良さが新鮮で、いなたいネタをT-shirtsっていうフレームに落とし込むと不思議とカッコ良くなるんですよ(笑)。今だとネタTシャツを着る感覚にちょっと近いかも。
iM:コラボという概念も94年にX-LARGEとやった「X-FUCT」が走りと言われているね。 ちょっとズレるけど、このサークルロゴが入ったT-shirtsを初めて着た日本人はX-JAPANのhideで、LAでBRUNETTI本人から貰ったらしいよ。
Fu:あー着てましたね!3本ラインのシャカパンに合わせてて「え?ビジュアル系ってジャージOKなの!?」って驚いた記憶があります。そう考えると、hideってミックス感覚の塊でしたね。
iM:いい感じにフェードした黒-Tだけど今も着てる?
Fu:今は滅多に着ませんね。子持ちなんでPTA的にNGでしょ(笑)。でも当時のスケーター界のスター集団T-19・YOPPIのブランド「HECTIC」のキャップと共に今でも手放せないフェイバリットアイテムであることに変わりはないですね。
iM:HECTIC!懐かしいな~!そして今でも着られるのが体型維持&物持ちの良さと二重にすごい。その頃読んでた雑誌はあの時代だと……Fineとか?
Fu:読んでましたねー!クラブ情報とイベントリポート、あとhitomi見たさに(笑)。ストニュー(東京ストリートニュース)とかも。あの頃は欲しいモノやなりたいモノは全部雑誌の中にありましたからね。
iM:当時、雑誌の影響力は絶大だったからね。
Fu:あとはTokyoWalker!当時年上の彼女と付き合っていたんですが、デートの時はEVISUジーンズのケツポケットに必ず突っ込んで都内を徘徊していましたね。ストリート以外のポップニュースはほぼここから仕入れていました。
iM:そしてその後、キッズは作る側になったと。いい話だなー。
【2人目】アシスタントディレクター佐藤
2人目はアシスタントディレクターの佐藤さん。ファッション好きなマニエラの末っ子はいったいどんな1枚を出してくるのか?
↑「BLAME!/弐瓶勉 東亜重工デザイン」
Sa:漫画家・弐瓶勉の長編作品『BLAME!』のシャツです。
iM:T-shirts好きとは聞いてたけど、めちゃくちゃイカツイのがきたね。予想外!
Sa:これは2016年に「San Diego Comic-Con 2016」で開催された「Nihei Quest」というイベントのノベルティだったものです。
iM:海外でそんなイベントが開かれるなんて、人気すごいね。え、サンディエゴまで行ったの!?
Sa:数量限定で日本でも販売していたので、そのタイミングで購入しました。海外イベントのものなのでサイズはXXLのみでしたけどね(笑)。
iM:実は『BLAME!』、アフタヌーンを買ったときに読んでいたくらいで詳しくは知らないんだよね。「弐瓶勉」の字面はずっと印象に残ってるけど……。
Sa:私が作品を知ったのは5~6年前くらいなので、連載時に立ち会えて羨ましいです。当時のアフタヌーンってどんな感じだったんですか?
iM:当時は沙村広明の『無限の住人』が楽しみで楽しみで……。反面、沙村先生の画力やカメラワークに打ちのめされて絵を描くことを諦めた作品でもあります。ハードボイルドな絵柄っていう意味では共通点があるかも?
Sa:豪華な連載陣ですね……その気持ちもわかります。『BLAME!』が完結したのは2003年ですが、2015年に劇場アニメ化が発表されたので、それに合わせて「再起動」とプリントされています。
iM:フロントのオリジナルロゴカッコいいね。複雑な線の差し引きが絶妙……未来っぽいデザイン好きとしてはたまらないなー。素朴な疑問なんだけど、佐藤さん世代の人たちから見てこういうデザインは未来っぽく感じるの?
Sa:個人的にはギア感あってかっこいいなという印象です。ヴァーチャルな雰囲気もあるのでそういった意味では未来感とも言えるかもしれません。
iM:ギア感!今はそう言えばいいのかー。このギア感ってEVAや攻殻~ASYURA~GraphersRock~ACRONYM~BALMUNGと繋がってて、最近ならNIKE/SPACE HIPPIEにも同じものを感じます。プロダクトなイメージに黒地で、数字バーン、説明書みたいな小文字英語ささー、斜線ばばばー、で効果的に蛍光色みたいな。
Sa:あえてのカタカナ表記なんかもあるあるですよね!数年前からストリートファッションがまた流行り始めたり、インターネットやVRがメインカルチャーになってきたりして、よりその世界観に近いデザインが注目されるようになった気がします。
iM:無国籍なデザインなんだけど、その世界観は共通認識として世界中に広がってるのがおもしろいね。
Sa:このフォントなんですが、弐瓶勉オリジナルの「東亜重工フォント」というもので、弐瓶先生の漫画のさまざまなところで登場しています。ファンの間でも人気で、なんと2020年12月に製品として発売されるそうです。
iM:人気になるのも頷けるかっこよさです。このフォント、会社の経費で買ってくれないかなー。
長くなってしまったので第2弾に続きます! T-shirtsは人生。
過去のTシャツと僕シリーズはこちら!
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